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鉄の注射

高校駅伝の強豪校で貧血治療用の鉄剤注射が不適切に使われていた問題で、日本陸上競技連盟が、各地の医師会に対し、治療以外で選手に注射をしないよう協力を求める方針を固めた、というニュースを先日見ました。 また日本陸上競技連盟、は、中高生時代に好記録を残しても、伸び悩んでしまう選手がいる背景には、鉄剤注射の使用があるとみている、とも書いてありました。
かなり昔の私のブログでも鉄剤の注射は大量出血などの緊急時以外はするべきではないと書きました。鉄が利用されるためにはトランスフェリンというタン白質と結合されないといけませんが、トランスフェリンにも限りがあるので、頻回に鉄の注射をすると、結合されなかった鉄が、肝臓、心臓、甲状腺、膵臓などの臓器に沈着し、そこで活性酸素を出し続けます。場合によってはそれらの臓器に障害をもたらしたり、ガンのリスクになったりもします。
貧血になると酸素の運搬がスムースに行われなくなるのでスタミナが落ちます。貧血是正に手っ取り早い鉄の注射をアスリートは好むのだと思います。しかし、血液は鉄だけで合成されるわけではありません。タン白質、ビタミンBなども欠かせません。ヘモグロビンが正常化しても鉄の貯金が増えないとATP産生がうまくできません。無機鉄は吸収率が悪いので内服ではなかなか貯蔵鉄が増えません。かといって鉄の静脈注射をするとフェリチンは増えますが先ほど書いたように臓器に鉄が沈着してしまいます。ですから分子整合栄養医学では、無機鉄の内服も注射もおかなわず、ヘム鉄を使います。無機鉄はフェントン反応を引き起こして活性酸素を体内にばらまきますし、吸収率も非常に悪いのですが、ヘム鉄は活性酸素を発生させませんし吸収率もよい安全な鉄です。またヘム鉄の経口摂取は、小腸が鉄が過剰な場合は吸収を抑えるのでそういう意味でも安心です。
岡山にオリンピックマラソン選手を何人も輩出している天満屋というデパートがあります。オーナーの娘さんと同級生なので一度会長に栄養の話をしましたが、顧問ドクターが既にいましたので結局栄養療法を取り入れていただくことはありませんでした。いい結果をだすには、身体の仕組みを理解し、鉄だけ注射してもだめです。貯蔵鉄をしっかり高めエネルギー産生に必要な栄養素や腱や靭帯の故障を防ぐための栄養摂取などを総合的に摂取する必要があります。
けが予防、成績アップを考えているアスリートの方は是非分子整合医にご相談ください。